給与計算のチェック方法|確認項目だけでなく「どう確認するか」まで考える

給与計算のチェックをするとき、

「住民税を確認する」
「社会保険料を確認する」

など、確認する項目を決めていることがあると思います。

でも、

「何を確認するか」は決まっていても、「どう確認するか」まで決まっていますでしょうか?

本記事では、

何を確認するのか
↓
何と照合するのか
↓
どうなれば確認完了なのか

という3つの視点から、給与計算のチェック方法についてお伝えします(^^)/

僕自身が給与計算の実務で行っていた確認方法もご紹介しますので、

「自分の給与計算業務なら、どう確認できるだろう?」

と考えながら、参考にしていただけると嬉しいです!(^^)!

「確認項目」が決まっていても、確認方法まで決まっていますか?

給与計算では、

「住民税を確認する」
「社会保険料を確認する」
「変動事項を確認する」

といった確認項目を決めていることがあります。

確認項目があらかじめ決まっていると、

「今月はこれを確認すればよい!」

と分かるので、業務にも取り組みやすくなりますよね!

しかし、

「住民税確認」

と書いてあるだけでは、

何を見て、
何と照合して、
どうなれば「確認できた」とするのか

までは分かりません。

例えば、上司から、

「今月のαさんの住民税額が正しいか確認しておいて」

と言われたとします。

給与データを見ると、

αさんの住民税額は○○円となっていました。

そこで、

「今月の住民税額は○○円なんだな!」

と確認して終わってしまったら、どうでしょうか?

これでは、給与データに記載されている金額を見ただけで、

その金額が正しいかどうかまでは確認できていません。

では、何と照合すればよいのでしょうか?

例えば、住民税額通知書にαさんの住民税額が記載されているのであれば、

給与から控除される住民税額
⇔
住民税額通知書に記載された住民税額

を照合することができます。

そして、両方の金額が一致していれば、

「通知書に記載された金額と一致しているからOK!」

と判断できますよね(^^)/

つまり、

「給与データに○○円と書いてあることを見る」

のと、

「通知書の○○円と照合して、一致していることを確認する」

のは違うのです(^^)

会社によって、使用する資料や給与システムは異なります。

給与計算の流れも、会社によって違いますよね!

そのため、本記事で紹介する方法をそのまま取り入れる必要はありません。

「自分の業務では、何と何を照合できるだろう?」

と考えながら、読み進めていただけると嬉しいです!(^^)!

給与計算のチェック方法を具体化する3つの要素

では、給与計算のチェック方法をどのように考えればよいのでしょうか?

僕は、次の3つに分けて考えています。

①確認対象

まずは、

何を確認するのか

を決めます。

例えば、

  • 住民税

  • 社会保険料

  • 人数

  • 変動事項

などです。

②照合するもの

次に、

何と何を照合するのか

を考えます。

例えば住民税額であれば、

当月の給与から控除される住民税額
⇔
住民税額通知書

といった形です。

③確認完了の状態

最後に、

どうなれば「確認完了」とするのか

を決めます。

住民税額であれば、

給与から控除される住民税額と、住民税額通知書に記載された金額が一致していれば、

「確認完了!」

とすることができます。

つまり、

確認対象
+
照合するもの
+
確認完了の状態

まで具体的にするのです(^^)/

さらに、必要に応じて色や印を付けるなど、

「確認済み」と「未確認」が分かる状態

にしておくと、どこまで確認したのかも後から分かりやすくなります(^^)

給与計算のチェックは3つの段階に分けて考える

給与計算では、一度だけ確認すれば終わりというわけではありません。

僕自身の実務では、大きく分けると、

設定後
↓
入力後
↓
抽出後

という3つの段階で確認を行っていました。

確認段階 主な目的 実務例
設定後 今月の変更事項を正しく設定できているか確認する 変動事項、入社者情報など
入力後 変動・勤怠等が入力後の給与データへ反映されているか確認する 人数、時間・金額、各種合計額など
抽出後 正しい給与計算結果を必要な納品物に仕上げられているか確認する ファイル数、加工内容、ファイル名など

それぞれ、何を確認していたのか見ていきましょう(^^)/

設定後|元資料と給与システムを照合する

変動事項を設定・反映したときの確認

まずは、変動事項です。

僕自身の実務では、会社から変動事項一覧を受け取り、その内容を給与システムへ反映していました。

例えば、

  • 入社

  • 退職

  • 昇給

  • 住所変更

  • 扶養変更

  • 社会保険料変更

  • 住民税変更

などです。

ここで確認したいのは、

「元資料の内容が給与システムへ正しく反映されているか」

ということです。

例えば、変動事項一覧に、

「αさん ●●手当 ○○円」

と記載されていたとします。

その場合は、

変動事項一覧
⇔
給与システムの設定画面

を見比べて、●●手当が○○円と設定されているかを確認していました。

ただ、確認する項目が多くなると、

「あれ?ここって確認したっけ?」

となることもあります・・・

せっかく確認したのに、もう一度最初から確認するのは大変ですよね!

そこで僕は、変動事項一覧がExcelデータの場合、

給与システムとの一致を確認した項目に色を付けていました(^^)/

つまり、

色が付いている項目=確認済み

という状態にしていたのです!

こうすることで、

「どこまで確認したのか」

を後から見ても分かるようにしていました(^^)

入社者を設定・登録したときの確認

入社者についても、基本的な考え方は同じです。

例えば、

  • 氏名

  • 住所

  • 生年月日

  • 給与額

  • 通勤費

  • 社会保険料

  • 住民税

  • 会社固有の項目

などを確認していました。

もちろん、確認する項目は会社によって異なります。

大切なのは、

「登録した内容を何によって確認するのか」

まで考えておくことです!

僕が担当していた実務では、入社者の情報も変動事項一覧に含めていただくことが多くありました。

そのため、

変動事項一覧を受領
↓
給与システムへ反映
↓
元資料と給与システムを照合
↓
確認した項目に色を付ける

という流れで確認していました(^^)/

入力後|給与計算結果を何と照合するか

設定が終わり、勤怠データなどを入力したら、

次は入力後の給与データを確認します。

ここでも、

「給与計算が終わったからOK!」

ではありません。

出来上がった給与データについても、

何と照合するのか

を考えて確認していきます(^^)/

前月の確定データと当月データを比較する

担当する企業によっては、

前月の確定給与データ
⇔
当月の納品予定給与データ

を比較していました。

通常の毎月の給与計算では、

主に基本給などの固定支給項目を確認するために、前月比較を行っていました。

一方、新規に給与システムを設定した会社では、確認する範囲が異なります。

新規設定時には、

支給項目
+
控除項目
+
合計項目

まで前月データと比較していました。

新しく設定した給与システムで、給与計算結果が正しく出ているかを確認するためです!

つまり、同じ「前月比較」でも、

通常の給与計算
と
新規に給与システムを設定したとき

では、確認する目的や範囲が違うのです(^^)/

前月比較の確認方法については、別の記事で詳しくご紹介します!

給与計算人数を確認する

給与計算では、金額が合っていても、

給与計算の対象者そのものが抜けている

可能性があります。

そのため、僕自身の実務では、給与計算人数についても確認していました。

考え方としては、

前月の給与計算人数
+ 当月の入社等
- 当月の退職等
⇔
当月の給与計算人数

です。

例えば、

前月の給与計算人数が18人だったとします。

そして、今月は新規入社者が9人いました。

すると、

18人+9人=27人

となります。

そのため、当月の給与計算人数も27人になっているはずですよね!

ところが、実際の給与計算人数が26人だったらどうでしょうか?

1人分の差異があります。

その場合は、

「なぜ1人違うのだろう?」

と、その差異がどこで生じているのかを確認します。

つまり、

変動項目の金額が合っていても、給与計算対象者そのものが1人抜けている可能性がある

ということです。

金額を見る確認と、人数を見る確認。

それぞれ確認しているものが違うのです(^^)

変動項目と各種合計額を確認する

担当する企業によって確認項目は異なりましたが、

変動項目の各項目の合計額のほか、次のような合計額も確認していました(^^)/

  • 支給合計

  • 控除合計

  • 課税合計

  • 社会保険料合計

  • 住民税合計

  • 差引支給額

会社によって確認する項目は異なりますので、

自社ではどの合計額を確認しているのか、一度整理してみるのもよいと思います!

住民税の合計額を確認する

住民税については、

前月の住民税合計
+/- 当月の変動事項
⇔
当月の住民税合計

という考え方で確認していました。

例えば、前月から住民税に変更がなければ、

前月と当月の住民税合計が一致するはずですよね!

一方、当月に住民税の変更があれば、その変更分を加減した金額と当月の住民税合計を照合します。

ただし、

この合計額だけで、個々の従業員の設定内容まですべて確認できるわけではありません。

あくまで、僕自身が行っていた住民税確認の一つの方法です(^^)/

※詳しい確認方法は「給与計算の住民税の確認」の関連記事でご紹介します!

社会保険料の増減を確認する

社会保険料については、

給与システムから増減票を出力して確認していました。

例えば、

  • 人数

  • 健康保険料

  • 厚生年金保険料

  • 標準報酬月額の合計

などです。

「社会保険料を確認する」と決めるだけでなく、

何の資料を使って、何を確認するのか

まで具体的にしておくことが大切なのです(^^)/

※詳しい確認方法は「給与計算の社会保険料の確認」の関連記事でご紹介します!

変動事項が給与計算結果まで反映されているか確認する

ここで、

「設定後にも変動事項を確認していたのに、入力後にも確認するの?」

と思われるかもしれません。

でも、この2つは確認する目的が違います!

設定後の確認
=変動事項一覧 ⇔ 給与システムの設定

入力後の確認
=変動・勤怠等の元データ ⇔ 入力後の給与データ

という違いです。

設定後は、

「元資料の内容を給与システムへ正しく設定できたか」

を確認します。

入力後は、

「その内容が最終的な給与データへ正しく反映されているか」

を確認します。

同じ「確認」でも、

確認する対象や照合する資料が違うのです!

入力後に設定内容だけをもう一度確認しても、入力したデータそのものが正しいかの確認にはなりませんからね(^^)

抽出後|必要な納品物がそろっているか確認する

給与の入力内容を確認した後は、

給与システムから納品用のデータを抽出します。

僕が担当していた実務では、

企業ごとに決められた形式へデータを加工して、納品することもありました。

そのため、

給与計算結果が正しいだけでは終わりません。

「必要な納品物がそろっているか」
「必要な加工ができているか」

についても確認していました!

例えば、納品データのマニュアルなどと、実際に作成した納品データを照合します。

先ほどの3つの要素に当てはめると、

確認対象

必要な納品ファイル、加工内容

照合するもの

前月までの納品形式・今月の変更指示・加工マニュアル
⇔
今回作成した納品物

確認完了

必要なファイルがそろい、必要な加工項目をすべて確認できている状態

となります(^^)/

設定後や入力後だけでなく、

抽出後にも「何を・何と照合して・どこまで確認すれば完了なのか」を決めておく

ということですね!

ダブルチェックで「別の視点・方法」から確認する

ここまで、僕自身が行っていた基本的な確認方法をご紹介してきました。

ただ、

これらの確認を行えば、必ず漏れがなくなる!

というわけではありません。

どうしても見落としが発生することもあります。

僕自身の実務では、自分で確認した後に、別の担当者にも確認してもらっていました(^^)/

ただし、

担当者全員が同じ確認方法でチェックしていたわけではありませんでした。

確認後のデータを見ることで、

「この項目を確認したのだな」

とある程度把握できる状態ではありましたが、

確認手順を細かく統一して共有していたわけではありません。

そのような中でも、

僕自身、別の担当者に確認してもらうことで、

自分では気づかなかった点が見つかることもありました(^^)/

もちろん、

「ダブルチェックをすれば大丈夫!」

ということではありません。

ダブルチェックも、僕自身が実務で行っていた確認方法の一つです。

「確認済み」が分かる状態にする

ここまで、

「何を確認するか」
「何と照合するか」

についてお伝えしてきました。

もう一つ、僕自身が大切だと感じているのが、

「どこまで確認したのか分かる状態にする」

ということです!

給与計算では、画面同士を長時間見比べることもあります。

僕自身も、元資料と給与システムの画面をずっと見比べていると、

「どこまで確認したっけ・・・」

となりそうなことがありました。

そこで、元資料を印刷して、

給与システムの画面と照合しながら、鉛筆で確認済みの印を付けることもありました(^^)

ただ、

「紙で確認したほうがよい!」

ということではありません。

大切なのは、

「確認済み」と「未確認」を区別できる状態にすること

です。

紙に印を付ける方法でもよいですし、

Excelのチェック欄やシステム上のステータスなどを使う方法もあります。

自社の業務に合った方法で、

「ここまでは確認した!」

と分かる状態を作ることが大切なのです(^^)/

ミスやヒヤリを次回の確認工程に変える

どれだけ確認していても、

ミスやヒヤリが起きることはあります。

そのとき、

「次から気をつけよう!」

だけで終わってしまうと、また同じことが起きてしまうかもしれません。

僕自身の実務では、

過去に特定の問題が起きた会社について、その問題に対応する確認欄をExcelへ追加し、

次月給与以降、個別に確認していたこともありました。

つまり、

ミス・ヒヤリ
↓
次から気をつける

だけではなく、

ミス・ヒヤリ
↓
次月給与以降に確認する項目・仕組みにする

ということです!(^^)!

ミスが起きたときは、

「注意しよう!」

だけではなく、

「次回から、どう確認すればよいだろう?」

と考えてみることも大切だと思います!

※この点は「給与計算ミス防止」の関連記事で詳しくご紹介します。

まとめ|自社の給与計算に合った確認方法を考える

本日も記事をご覧いただき、ありがとうございます!

今回は、給与計算のチェック方法についてお伝えしました(^^)/

本記事で特にお伝えしたかったのは、

確認項目だけを決めるのではなく、

①確認対象
②照合するもの
③確認完了の状態

まで具体的にすることです!

そして、給与計算の業務を、

設定後
↓
入力後
↓
抽出後

という段階に分けてみると、

それぞれの段階で、

「何を確認するのか」
「何と照合するのか」
「どこまでできれば確認完了なのか」

を考えやすくなります(^^)/

もちろん、本記事で紹介した方法をそのまま取り入れる必要はありません。

会社によって、給与計算の流れも、使用する資料も、給与システムも異なるからです。

まずは、普段行っている確認項目を一つ選んでみてください!

そして、

「何を確認している?」
「何と照合している?」
「何をもって確認完了としている?」

の3つに分けて考えてみてはいかがでしょうか!(^^)!

そこから、

自社の給与計算に合った確認方法

を考えるきっかけにしていただけると嬉しいです(^^)